2012-10-03

価値研!:早稲田南門通りのイルミネーション

 気の早い早稲田南門通りが、イルミネーションを始めました。まだまだ夏日の日もあるので、そんなに冬をせかさないで! なんて思ってしまいます。

 で、なんで商店街はイルミネーションをするのでしょうか。きれいでいいじゃん、くらいの理由かもしれませんが、基本的にはお客さんにより来てほしいということですよね、たぶん。でも恐らく通行人の95%が早稲田大学関係者であるこの通り、よそから人が来ることも考えにくいですよね。

 実は、地下鉄早稲田駅から本キャンへ行くルートには大きく二つ、南門経由と第三西門経由があります。イルミネーションをやることで、なるべく南門経由で大学へ行ってもらって、おなかがすいたら「幸早稲田おにぎり」でも買っていってくれませんか、ということなのじゃないかなー、と思うところでなのであります。

Even though it is still October, Waseda nan-mon (south gate) street has just illuminated. What is the purpose of illuminated? There are two gate between Waseda Univ. and Waseda station. So, I think the purpose is making students to reach the Univercity through the south gate and south gate street.


 

2012-06-05

価値研3:高級なドトール?

有名飲食店の場合、その名前でどんなお店かすぐ分かりますよね。例えばコーヒーショップだと、「スターバックス」は「禁煙」「洗練」「ゆとりある空間」(サードプレイス、なんて言うらしいですが)などの価値を、一方「ドトール」は「喫煙」「廉価」「サボリーマン」(?)などの価値を、そのブランドは伝えているのではないでしょうか。

 さて、港区北青山、地下鉄外苑前駅のほど近くに一軒のコーヒーショップがあります。246沿いの利便性の高い立地、デザイン事務所が手掛けた洗練されたインテリア、同じくライティングのデザイン事務所が手掛けたLED照明による明るい店内、そして全席禁煙ということで、結構店内もにぎわっています。

 この店、実は「ドトール外苑前店」なのです。ドトールもこれからはサボリーマンだけの場所じゃないんだよ、ということをいいたいのかもしれませんが、青山のおしゃれなカフェでくつろぎたい、というお客さんにも、ドトールでタバコ吸って東スポでも読むか、というお客さんにも両方マイナスの価値を与えている気がするのですが、どうなのでしょう。

 もちろんドトールという看板にしておけば、席が狭くてもさほど文句を言われないから狭い店舗でも大丈夫だとか、黙って食器を下げてくれるので人件費を下げられるとかあるかもしれませんが、違うブランドにして客単価をもうちょっとあげるという手もあるのかなあ、という気もしてしまいます。
http://shoene-shomei2010.jp/designbook/doutor_gaienmae.pdf



価値研2:作っているところを見せるか隠すか?

飲食店で、作る過程をお客に見せることが価値になっているところがありますよね。シェフが目の前で焼いてくれる鉄板焼き屋さんや、寿司屋さん、バーなんかは好例かと思います。調理課程自体が見て楽しいといったことや、あなたのためにやっている感、変な物入れていないよという証明、などが価値につながっているのではないでしょうか。

 チェーン店の場合ではどうでしょうか。先ほどあげた寿司屋さんも、機械が握る回転寿司屋はその工程はお客から見えないようになっています。レーンの中のお店の人に頼んでも、うまく客席から見えないように、直方体のご飯の塊にネタを乗せていますよね。

 牛丼屋ですと、「吉野家」や「すき家」など多くのチェーンが客席から調理場があまり見えないようになっている一方、「松屋」は調理場が丸見えです。松屋はそれが価値になっているかというと、棚の引き出しみたいなところから生肉が出てきたり、豚汁やハンバーグをレンジで温めていたり、機械から丼にごはんがボトボト落ちてくる様子が見えたりと、どうも負の価値の方が大きい気がするのですがどうでしょう。

 一方、絶妙なところでうまくやっていると思うのが「てんや」です。てんやはベルトコンベアのような機械で半自動的にてんぷらを揚げることで、職人を不要にしている天丼チェーンですが、その工程はお客からはまず見えないようになっています。じゃあ店の奥で揚げればいいかというと、ちゃんと揚げている音をお客に聞かせるため、カウンターの近くで(見えないようにして)揚げているとのことです。視角だけでなく、聴覚による価値というのもあるんですね。



価値研1:隠したい親会社

その会社の株主なり親会社が、世の中に知られると製品やサービスの価値が下がりかねない、という例がいくつかありますよね。

 例えば、
―○ニヴェルセル(表参道などの結婚式場)の親会社が○OKI HD
―○番屋(○コイチ)の株主が○ウス食品(19.55%)
―○武・○ごうの親会社が○ブンアンドアイHD
―○城石井の親会社が○ックスHD(○角などの○インズインターナショナルも同じグループ、現在○城石井は丸の内ホールディングスに譲渡)
―○.G.I. FRiDAY'S の運営が○タミフードサービス

 などで、主に親会社の主サービスが想定する客層よりも上位の客層をメイン顧客にしている場合、このようなことが起こるようです(○コイチの例はちょっと違いますね)。
 親会社の空気や情報をいかに表に出さないようにするか、というマネジメントがどのように行われているかは非常に気になるところですが、直接聞くのはなかなか難しそうですね。



2012-04-24

はやてとともに

東北新幹線「はやて」が、福島県を走り抜けていく。
 車窓からは満開の桜がところどころに見え、桜前線はまだ東北にあることを改めて確認する。千鳥ヶ淵の満開の桜の下で京樽のお弁当を食べたのは、なんだかもうかなり昔のことのようにも感じるけれど、東北ではまさにこれから、なのだろう。もちろん全ての東北の人が笑顔で桜を愛でることができるようになるまでは、まだ当分時間がかかるのだろうけれど。

 会社を辞めることにした。いままで月に1~2回の頻度で宮城へ出張していたのだけれど、この会社の用事で宮城に出張するのは今日が最後ということになる。そう思うとこの一心不乱に東北の大地を駆け抜ける、「はやて」号でのいくつかの思い出が呼び起こされるのである。

 現在通っている、ビジネススクールの合格を知ったのも「はやて」の車内だった。PCから合格者リストの中に自分の受験番号を見つけた時は、「はやて」の中で一人小さくガッツポーズをした。そういえばそんな幸せ気分で仙台に着いた後、奮発してランチに米沢牛の焼肉を食べたんだったなあ。一仕事終えた後、東北の海の幸や地酒を必要以上に堪能した後、あわてて飛び乗ったぼくをあっという間に東京に運んでくれたのも「はやて」だった。

 そして忘れもしない1年前の3月11日、ぼくは宮城県であの震災を経験することとなった。地震直後は正直なところ、もしかしたら今の地震で新幹線も止まっちゃっているかも、というくらいの認識だったのだが、時間がたつほどに早期復旧が絶望的であることを思い知らされた。「はやて」に乗れば1時間半ほどの東京-宮城間も、新幹線なしには無限にも感じられるほどの距離があることをその時初めて実感した。その時は結局タクシーで10時間、10万円ほどかけて帰京したのだけれど、その時ほど「はやて」のありがたみを感じる道中はなかった。

 最近「はやて」には「はやぶさ」という弟分ができたらしい。格好よく快適なライバル登場に、「はやて」は自分、頑張るだけですから、と愚直に北の大地を駆け抜けているようにも見える。ぼくも若者には負けないように、次の仕事も見つけないとな、と思っていたところで、車両はスピードを落としつつ緩やかに左にカーブを切った。仙台駅が近いようだ。さて取り急ぎランチは牛タンか寿司かはたまた米沢牛の焼肉がいいかを決めなければいけないので、この文章はひとまずこのあたりで。