2011-02-28

東北新幹線「はやぶさ」のグランクラス

 来週からついに東北新幹線にE5系、「はやぶさ」が登場します。

 話題になっているのがグリーン席よりさらに等級が高い「グランクラス」。東京−新青森間の通常運賃(大人片道)16,870円に対して26,360円と1万円も高く、こりゃ儲かるのだろうなぁ、と車両ごとの運賃収入(全員が端から端まで乗って、満席だったという前提)を計算してみました。
(10両って短く感じますが、さらにこれに秋田新幹線が連結するんですね)

 号車 座席種類  席数  運賃* 総売上*
  1号車 普通車  29席 @16,870 ttl:489,230
  2号車 普通車 100席 @16,870 ttl:1,687,000
  3号車 普通車  85席 @16,870 ttl:1,433,950
  4号車 普通車 100席 @16,870 ttl:1,687,000
  5号車 普通車  59席 @16,870 ttl:995,330
  6号車 普通車 100席 @16,870 ttl:1,687,000
  7号車 普通車  85席 @16,870 ttl:1,433,950
  8号車 普通車 100席 @16,870 ttl:1,687,000
  9号車 グリーン車 55席 @21,360 ttl:1,174,800
 10号車 グランクラス 18席 @26,360 ttl:474,480
*運賃:東京−新青森間大人片道運賃、総売上:運賃×席数、いずれも単位は円

 そうすると、10号車のグランクラスが 47万円に対し、形が同じ(であろう)1号車の普通車は 49万円。さらにグランクラスはアテンダントもつくということからコストも普通車よりかかるため、実は収益性は(単純に見ると)普通車のほうがいいんですね。

 なのに、なぜ JR東日本は 10号車をグランクラスにしたのか。

  −話題性の構築
  −社会の格差拡大(高級サービスへのニーズ拡大)への対応
  −(飛行機に対する)ブランドロイヤリティの向上
  −グリーン車の稼働率の向上(松竹梅とあると竹が一番売れるという理屈)

 あたりが思いつきますが、どうなのでしょうか。

 とりあえずなにはさておき乗ってみたいところですが、(出張代はまず出ませんし)さすがに高いですよね……。

※参考
「新幹線E5系電車」wikipedia (結局また孫引きですが)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9AE5%E7%B3%BB%E9%9B%BB
%E8%BB%8A

「はやぶさ」の特急料金・グランクラスの料金について/JR東日本
http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101106.pdf



ガム市場の次なる打ち手

 今週の日経ビジネス(*1)を読んで、「噛むのが面倒なので若者のガム離れがすすんでいる」という話にちょっと驚きました。
 えっ、噛むのが面倒?
 それって生き物としてどうなのだ、と思ったけれど、とりあえず数字を見てみました。

■日本の菓子推定生産数量(*2)
   飴菓 ガム 米菓 和生 油菓 全体
2004 161 46 207 323 56 1,925(kt)
2005 165 44 212 323 57 1,931
2006 167 43 219 325 58 1,951
2007 171 41 219 326 59 1,950
2008 174 39 223 327 62 1,951
2009 174 38 218 324 62 1,947
CAGR 102 96 101 100 102 100(%)
*飴菓→飴菓子:キャンディ類、キャラメル、ドロップ、グミ、ゼリー
米菓:あられ、せんべい(米粉製)
和生→和生菓子
油菓→油菓子:かりんとう等


 世代別消費量の数字が手元になかったので、以下非常に乱暴な話になりますが。

 ざっくりと、飴菓子(キャンディ、グミ等)・ガムを若者向け菓子、米菓(あられ、せんべい)・和生菓子・油菓子(かりんとう等)をオトナ(高齢者?)向け菓子に分けてみます。

 すると確かに、若者向けではやわらかい飴菓子は年平均伸長 102% と堅調な伸びを見せる一方、噛むのが大変なガムは 96% と減少傾向です。

 一方オトナ向けでは、やわらかい和生菓子も、硬い米菓・油菓子ともに 100〜102% と、堅調に推移していて、オトナは噛むのが大変な菓子を敬遠していないと、少なくとも仮説を立てることはできそうです。

 もしこの仮説が正しいならば、ガム業界として打ち出す手は、

  −やわらかいガムを出す(日経ビジネスにあった Fit's の例)
  −オトナ(高齢者)向けのガムを出す
  −あえて若者向けの硬いガムを出し、あごを鍛えることを訴える
  −面倒さを超える魅力ある機能を付加したガムを出す(キシリトールの例?)
  −国内での拡大はあきらめ、(面倒くさがる若者の少ない)海外市場へ打って出る

 などでしょうか。

 個人的には3番目のあえて硬いガム、というのも面白い気もしますが、赤ちゃんの歯固めトレーニングみたいで嫌がられるかな……。


参考:
(*1)市場攻略の鉄則 "草食"を逆手に取る, 日経ビジネス 1,580, 47-48
(*2)全日本菓子協会, 日本の菓子推定生産数量及び金額推移
(日本チョコレート・ココア協会サイト経由の孫引きですが)
http://www.chocolate-cocoa.com/statistics/domestic/confectionery_j.html


2011-02-27

イントロダクション合宿

 WBS の、3月のイントロダクション合宿の案内が来ました。
 内容はケースメソッド授業と、討議型講義とのことです。いまから内容が楽しみ。
 しかし現地集合・解散で参加費2万円ってちょっと高いような気が……。

ケースメソッド授業(MBAコースは別途)
○オペレーション・エクセレンス/遠藤教授
http://www.isaoendo.com/

 参考文献/「現場千本ノック」
http://gemba-sembonknock.com/

○テクノロジーストラテジー/田村准教授
http://www.waseda.jp/wbs/about/faculty_profile/tamura_jp.pdf

○一澤帆布vs信三郎帆布 ブランドの行方/長沢教授
http://www.waseda.jp/gradcom/about/faculty_profiles/J_Faculty%20Profiles_NAGASAWA.pdf

 参考文献/入澤裕介、石川誠、長沢伸也「京都『信三郎帆布』に見るこだわりのものづくりの経験
価値創造とイノベーション」『商品開発・管理研究』Vol.7, No.1
 ↓ほぼ同様の内容がこちら(早稲田大学WBS研究センター 早稲田国際経営研究 No.41(2010) pp.57-68)にあります。
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/31133/1/WasedaKokusaiKeieiKenkyu_41_Nagasawa1.pdf

※ご参考:お家騒動についての、基本的な流れです(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%BE%A4%E5%B8%86%E5%B8%83%E5%B7%A5%E6%A5%AD

 一澤帆布のものづくりについて、同じ長沢教授の本です。


 「経験価値」についてはこちらのシュミットの書籍が元です。
 

討議型授業(MBAコースと合同)
○人材マネジメントとリーダーシップ入門/杉浦教授
http://www.waseda.jp/scoe/kenkyusha/sugiura/sugiura.html

 参考文献/


※ご参考
 商学部・井上ゼミの、同文献を用いた講義メモ(?)です。
http://www.waseda.jp/sem-inoue/file/org/Leadership%28introduction%29.pdf



■(2011/3/18 補記。地震の影響で、この合宿は中止となりました)

イントロ

 はじめまして、ashi_tomo です。
 今年(2011年)の4月から、早稲田大学ビジネススクールのMOTコースというところに、働きながら通うことになったので、せっかくなのでブログを始めてみることにしました。

 MOT というのは、Management of Technology の略で、日本語では一般的に技術経営と訳されるようです。
 また早稲田の MOT は、取れる学位としては MBA であり、また事業戦略やファイナンスなど、MBA の講義も取れるところに特徴があるみたいです。

 ということで、よろしくお願いいたします。


ご参考: