2011-06-30

「上位顔」は「下位顔」よりかわいいか?

 グリコが「アイスの実」のキャンペーンサイトで展開する「AKB48 推し面メーカー」、これはAKB48 のメンバーの顔のパーツを組み合わせて遊ぶ、というデジタル福笑いサービスなのですが、今回はこれを使って、ある検証をしてみたいと思います。

 それは、AKB 総選挙での上位者の顔の組み合わせは、下位者のそれよりもかわいいのか、です。
 つまり、総選挙上位入賞の要因の一つとして顔の美しさがあるはずで、顔が美しいなら顔のパーツも美しく、であればそのようなパーツを組み合わせた顔も美しかろう、という、やや強引な仮説を実証してみよう、ということです。

 で、以下の顔を作ってみました。
 上位顔 輪郭:前田敦子(1位)、目:大島優子(2位)、鼻:柏木由紀(3位)、口:篠田麻里子(4位)
 下位顔 輪郭:藤江れいな(40位)、目:松井咲子(38位)、鼻:前田亜美(37位)、口:佐藤すみれ(34位)
 対象順位でも、推し面メーカーにパーツの登録がない人は飛ばしてあります。ちなみに、下位と言っても日本中から選ばれし AKBグループ約 150人の中での 40位なので、全体の中では上位といっても過言ではないので、そう落ち込まず元気を出してくださいというか、そもそも実証になっていないんじゃないか、というか。

 結果がこちらです。
 上位顔:

 

 下位顔:



 うーん、なんというか、上位顔:かわいいのかもしれないけれど、あまり現実感がない、下位顔:そこら辺にいそうだけど、怖い、といったところでしょうか。つまり、「会いに行けるアイドル」という、身近さを売りにしていた AKB48 ですが、やはりアイドルとしては現実感のない、文字通り偶像的な顔が好まれるのかもしれませんね。

2011-06-17

トリティーン・元ドイツ環境大臣 講演会(その2)

 こちらが講演の本編です。


○Q&A
Q:わかりやすく講演いただきまして、政策が理解できた
 現在フランスでたくさん原発が稼働している
 当然ドイツにも事故があれば影響があるが
 外交政策を教えていただけないが

A:EUには原発がない、あるいはもう閉鎖した国は、複数あります
 例えばデンマーク、オーストリアといった小規模な国
 そしてより大きなポーランドと言った国は
 フクシマ前までは原発の建造を考えていたが、いま大きな議論になっている
 またイタリアにおいてもご存じのとおり投票総数の95%が原発にNOを突きつけた
 欧州全体を見ると建設中の原発は現在2基
 この2基の新原発、この稼働を開始しても、この数年
 老朽介して閉鎖すべき原発はどんどんあるので
 そこで生じる出力のロスをカバーすることはこの2基ではできない
 ドイツをはじめとするその他の国々の飛躍的な再生可能エネルギーの伸び故のみならず
 いま申し上げた理由から、90年代以降欧州では原発が果たす役割はどんどん小さくなってきている
 そしてかわいそうなフランスの話(会場笑)
 フランスでは夏になると一つの問題に悩まされる
 電力の輸入が必要になります
 なぜか、それは、原発の出力を夏になると下げなければいけない
 冷却水がなくなっていまう
 冷却水の温度が上がりすぎてしまうということがある
 他方で夏ですから、フランスにおいてはクーラーが使われる回数が増える
 我々はよき欧州市民ですので、フランスの同胞たちをもちろん助けてあげます
 しかしフランスにはもう一つの問題があります
 フランスは原発の電力、非常に割合が大きい。ベースロードで75%という大きな割合
 フランスはEUの国ですので、欧州の法規に関しては従わないといけない
 EUとしては2020年まではエネルギーの20%を再生可能エネルギーでカバーすべしと
 こうした拘束力のある方針があるので、フランスも従わなければならない
 フランスの電力が風力、太陽光ということになります
 しかし1/3といっても、夜間は太陽が、数年で押しなべて見た時の割合なので
 夜間は太陽は照りませんし、風が吹かない日もあります
 裏を返していうと、100%の電力需要を再生可能エネルギーでカバーできる日も来る
 そうすると原発はどうすればいいのでしょうか
 つまり原発は夜間出力を上げて、日中出力を下げるような芸当はできない
 システマチックな問題を送配電系統においてもつことになる
 
 私が予想するのは以上のような理由から、恐らく原発の設備の更新とか回収は費用を振り向ける度合いは減っていき
 その代り再生可能エネルギーにシフトしていくのではなかろうか
 ドイツ国境付近の原発は早く閉鎖してほしいが
 私たちが望んでいるスピードで話しえないだろうが
 方向としては少なくなっていくと予想しています

○閉会の辞/坪郷社会科学学術院教授

・私は時間の関係もあるので短く
 申し訳ありませんが日本語で

 赤と緑の連立政権で環境大臣のトリティーンさんが来られて
 大変印象深かった
 3つの話をされた
 まず、赤と緑の連立政権で脱原発の決定をしたがどういうものだったか
 2つは緑の党の現在のエネルギー政策、日本にも示唆があった
 3つ目はメルケル政権が大津原発の決定をしたと

 ドイツは2つの異なった政権が2回脱原発の決定をしたと
 赤と緑の党は2020年には脱原発と

 今回メルケル政権は、大震災という不幸な大災害があったが 
 直後の14日に従来のメルケル政権は赤と緑の決定を延長すると
 時期は延長するということを決めたが
 それを3か月凍結するといち早く言いました
 3か月凍結した間に新たな決定を行うと

 それが6月6日に、2020年までに廃炉をして、最終的に脱原発すると
 これは赤と緑の当のものとほぼ同じもの
 緑の党は従来一番早い時期の2017年には可能という提案をしたと

 連邦環境庁というのがあるが
 メルケル政権が6/6に閣議決定をする少し前に
 連邦環境庁は2017年までに可能という報告書を出した
 これも緑の党と一致

 日本にとっても非常に大事な報告だった
 地震と津波の関係から浜岡原発の中止の要請をして止めた
 菅首相はエネルギー政策の大きな見直しをすると
 原子力エネルギーは明確な立場を表明していないが
 再生可能エネルギー、省エネルギーを推進すると

 今後の政策で第一にすべき点はヨーロッパやドイツに見習って
 エネルギーの自由化、電力の自由化を行って
 ガスと電気の自由化も含めて行う 
 それが基礎になる

 その次に、日本は50Hzと60Hzに分かれているが
 発電会社と送電会社が地域独占をしている
 これを分離するのが第二の重要な点
 ヨーロッパやドイツですでに行われている

 3番目として再生可能エネルギーを増やすために
 全量買い取り制を法案化する

 さらに今日強調されたように、省エネルギーが重要
 日本で10%省エネルギーをすれば脱原発ができる
 3割くらいと言われているが
 大震災と点検のために20%を切って
 16%くらいにすでに下がっている
 これは再開されないといずれ10%にまで下がる
 そこまで高くなくてもいける状況にいまある
 そうすれば省エネをさらに進める
 住宅と建物の省エネ

 最後の点は、強調されたように
 現在の電力網では不安定な部分もある再生可能エネルギーの調整は難しい
 IT技術を加えたスマートグリッド網を作りとできる
 そういう構想も主張された

 今日提案されたことを選択する時期に来ていると考えている
 今日は情報に満ちた素晴らしい講演をありがとうございました


○まとめ/トリティーンさん
・昨日、私はいわきを訪問いたしまして
 自宅から離れ避難しなければならなかった人たちを話をした

 あちこちを転々として、いまいることは8か所目だ、と言った人がほとんどだった
 お子さんたちは2回目、3回目の転校をしていた
 家だけでなく、仕事を失っている人たちがほとんどだった

 新聞を読むと、汚染された汚泥の問題が深刻化し
 放射性廃棄物として簡単に処理できないものが簡単に溜まっている

 また、いわき周辺には3月以降まったく漁に出られない漁業関係者がたくさんいました

 わたくしがこうしたことを申し上げたのは、事故を受けて実際に価格金銭的費用が原発のコストの一面
 これに人間的に及ぶ被害、苦しみ、そして経済的な問題加えて全部原発のコストとしてみていかないといけないのです
 
 こうしたことにかかる費用というのは、一部今回補正予算の中に組み込まれ、増税の中にも入ってくると思います
 こうしたことをみると、原発というのは、コストが安く済む費用対効果のいいエネルギーと言える人はいなくなるとおもう

 現在、今回の原発事故を受けて直接的に生じたエネルギー供給の穴があり
 そうしたものをこれから今代替している
 あるいは省エネによって変わることを模索しているが
 こうした状況からどうしていくか
 原発を、何もなかったように続けていくのかということ
 それよりは、いま(坪郷)先生がおっしゃられたようなシナリオを選ぶのか
 先生のシナリオのほうが有意義だと思います
 ありがとうございました

トリティーン・元ドイツ環境大臣 講演会(その1)

 ドイツは脱原発の決議間近らしいですが、ドイツ環境分野のキーマン、トリティーン緑の党会長(元環境大臣)の講演会に行ってきました。
 「フクシマ」を受けてメルケル首相率いる保守系与党もついに脱原発に舵を切ったようですが、日本の今後を考えるにも、とても参考となる講演会でした。しかし原発大国のフランスを「かわいそうな国」とばっさり斬っていたのが印象的でしたね。

 ということで、ちょっと長いですが、どうぞ。

…………
■ユルゲン・トリティーン 元ドイツ連邦共和国環境大臣 講演会
 「原発? おことわり! ~脱原発・代替エネルギー供給を目指すドイツ」
□日時:2011年6月17日(金)10:40~12:30
□場所:早稲田大学国際会議場3階会議室
□共催:早稲田大学国際部国際課 / EUIJ 早稲田
□協力:ドイツ大使館

□内容:
○司会挨拶/縣 公一郎教授(政治経済学術院)

・前環境大臣、トリティーン様本日はお越しいただきありがとうございます
 皆様には本日お越しいただきありがとうございます
 皆様にトリティーンさんの紹介を簡単にしたいと思います

 トリティーンさんは故郷、自分が勉強された地域の議会で選ばれました
 その後州議会議員に選ばれました
 その後1998年に連邦議会議員に、同時に環境大臣(連邦環境自然保護原子力安全大臣)になり
 当時は社会民主党と緑の党の連立政権で、7年間環境大臣をやられた
 2009年から現在まで、緑の党の院内総務をやられている
 では講演をお願いいたします

○講演

・先生方、おあつまりのみなさま、早稲田大学での講演の機会を頂き大変ありがたく思っております
 私は英語でやるものと思っていたので、パワポは英語で用意されてしまいました
 ドイツ語でという話を伺いまして
 ずっと同行している通訳が通訳しているので、うまくやってくれると思います(会場笑)

 よくこの6月の末に、おそらく全政党が賛成し
 2022年までにすべての原発を閉鎖するという決定がドイツの連邦議会でなされると
 どうしたらこのようなことが可能なのか
 現在17基あるうちの半分の即時閉鎖がどうして可能なのか
 
 この決定が下されるわけですが
 事の始まりは10年前、1998年、ドイツ社会民主党と緑の党が連立政権を組み
 原子力エネルギーをやめようと決定したときにはじまる

 最終的にそうしようときめてから、2001年に連立政権は電力事業者大手4社と合意した
 原発の利用をやめ、段階的に原発を閉鎖していくことについて合意した
 社民党、緑の党連立政権と事業者との合意
 激しく抵抗したのは当時野党のメルケル首相のCSUの会派

 最終的にこの同意がどのようなものであったかというと
 それまで原発は運転期間に制限がなかった
 しかし全運転期間を平均32年として
 発言できる電力量を決め
 それで原発、電力会社通りの運転結果の期間をやり取り可能とした
 沿った形で原子力法を改正することが同意された
 
 原子力法の正式名称は
 元々は原子力の平和利用のための法律だったが
 原子力核エネルギーの秩序正しい終了に向けて、と大きく変えられた

 この法律の制定理由、改正理由は、非常に予兆を含むような目的があった

 その目的は、核融合のリスクというのがどの原子炉であっても決してこれをコントロールしたり
 完全に回避することは無理であると
 この大きなリスクを長期的、永遠に私たちは抱えていけない
 これが制定理由であると
 福島原発において3機がメルトダウンの危険があることを見ると
 当時からこのリスクについてそうしたリスクを持っていたことはお分かりいただけると思う

 当時から、すでに原発の3機が閉鎖されてきている
 メルハイムケーリッヒ、シュターゼ、オーブリッヒハイムの3機の原発です

 2001年に合意された時の、こちら(表)が原発の運転機関
 こちらが32年としたときの終了時期
 こちらは2011年の時期だが
 ここまで即時閉鎖される原発が含まれている
 どのみち2011年の合意時点でこれらの原発は閉鎖される時期にあった

 それよりも更に大きな重要性を持つといえるのが、間もなく制定された再生可能エネルギー機構
 電力を買い取る買電法
 低価格で買い取ることが義務付けられました

 この固定価格というのがどういうものか問うと
 20年間買い取り価格が保証される
 しかしながら毎年その固定価格は逓減的に減っていく
 1年後に何%か
 こうすることによって、一方では固定価格があるので投資をするための予見可能性による安定性の保証
 一方では逓減的なので、効率を上げないといけないプレッシャーがあるということになる

 この結果、新たな産業分野が生まれました

 ドイツは今日風力、太陽光、バイオマスなどの分野で大変成功している
 技術的のみならず市場的にも国際社会をリードしている立場にある

 ドイツはもともとエネルギー資源を輸入してきた国である
 このようにして国内においてエネルギーを生産できるようになった
 2006年に50億ユーロ分の費用をカットできた

 更に、その下をご覧いただくとわかるが
 2011年に37万人の新規雇用が生まれた
 こうした状況を見てOECDは独特な効率性の良さを示しているという評価を下している

 そもそもこのように原子力エネルギーを再生可能エネルギーで代替することは可能かということだが
 2001年の段階では日本の原子力エネルギーの割合とほぼ同様の27%あったが
 このように下がってきた
 今後の予想として、2020年までには1%まで下がるだろうと
 
 他方再生可能エネルギーはどうかを分けてみていきましょう
 青い線は、再生可能エネルギー制定当時に目標として掲げられたもの
 2020年までに20%をカバーしようという予測および目標を元に制定された

 しかしながら再生可能エネルギーの普及は予想を超える広がりを見せたことから
 2008年CDUとSPTの大連立政権だったが、目標の見直しをした
 2020年には30%を占めるだろうと
 これで原子力エネルギーを代替するどころか、上回るものとなっている
 
 しかし赤い線(30%)も間違っている

 正しい線は緑の線です
 だから、緑色を選びました(会場笑)

 2010年ですでに再生可能エネルギー17%を私たちは実現しています

 現在の政権はEUに対して再生可能エネルギー利用の指針について、38.6%を2020年までに達成するとしました

 この2つの施策を取ってきたことにより、非常に大きな変化が生まれた
 ドイツはエネルギーは輸入を続けてきた国
 しかし電力となるとヨーロッパは送電インフラがつながっているので輸出と輸入双方を行ってきています

 こちらご覧いただいているのは、輸出超過分、NETの輸出分の推移
 これにより相殺分で純輸出国になってきている
 大型の発電所7機分に相当する量を輸出している

 以上がこれまでの背景です
 こうした背景を土台として、福島の事故を受けて
 すべての政党が一致する中、どのような結論を政治として導くか
 それが脱原発となったわけであります

 私どもは今回の事態を受けて次のようなことをした
 段階規制、原発は段階的な閉鎖をしっかり行っていくべきである
 メルケル政権が稼働期間の延長としたが、すぐに撤回すべきだと要求してきた
 
 脱原発を行うだけでなく、緑の党では脱原発のステップをより加速すべきであると
 私どもの試算では2017年までに、目標となるが完全な脱原発を果たすことは可能であると
 このように要求を掲げます

 今回の脱原発で深刻度は少なくなるものの、解決に至らない問題がある
 それが放射性廃棄物の問題です

 こちらでご覧いただいているのは、公式の名称が試験最終処分場、アッセとよばれるもの
 ドイツ北部にある施設の状況、放射性廃棄物が入ったドラム缶
 岩塩鉱の中に貯蔵されている様子を示すものです

 岩塩鉱ですので、塩分を含んでいる水が滴る
 そうすると容器がさびて
 さびに放射性廃棄物を含む液体が漏出するということにある
 
 関係当局は廃棄物を外に出すことを検討しています

 私どもは、すべてのこれまでの経緯を白紙に戻し
 いかなる可能性も配乗しない形で
 最も適切なサイトを精査していかないといけない
 岩塩鉱が適地かは疑念を持つ専門家が増えています

 もし一つの分野から早く脱出(脱原発)を図りたいのであれば
 別の分野に早く入らないといけない

 すなわち再生可能エネルギー網という新しい分野をさらに充実させていかないといけない
 この法律の2つの重点分野を改正を目指す
 一つがリパワリング、出力改正です。とくに風力に対して

 再生可能エネルギー法が制定された当初の時期は
 風力発電機1機の出力は6~700kW
 それが現在では陸上の設備であっても6MW、中には7MWのものもある

 このようにして、より再生可能エネルギーの拡大を図りたいのであれば
 最も費用効率がいい形で陸上における風力発電の拡大を図れる
 これが短期的な方策だが
 長期的方策はバルト海、北海において認可が下りているオフショア発電があるが
 海上の部分をより広く利用していくべきなのです

 これを実現していくためには、市民近隣住民含めた、透明性を持って計画を進めていかないといけません

 そのために様々な面での法改正
 建物の高さの分野において公開性が必要です

 規制緩和を図っていくが
 重要なのは高さ規制の緩和をしていくことです
 10mの設備が高くなれば10%出力が伸びるとも言われている

 しかし再生可能えエネルギー拡大だけでは十分じゃない
 ドイツでは3つのeといっているが
 再生可能エネルギーの頭文字がe、エネルギー節約、エネルギー向上と合わせて3つのe
 
 そのために様々な施策がとられている
 一つは日本にならってEUが取り入れたもので
 トップランナーアプローチ
 最も効率が高い機器が7年後には全体の基準として取り入れられてる
 どんどん省エネ度が上がっていくダイナミックな制度

 こうした省エネ処置はどれだけ重要な効果を持ちうるかは
 たとえば待機電力の消費というもの、そのための技術はドイツの家電において
 1W以下に抑えることができるのであれば、ドイツ全体で原発2基分の電力を浮かせることができる
 そうした広がりを持つ取り組みになりうる

 ドイツの産業分野において工場などで使用されているポンプや、ファンのたぐいのものについて
 出力調整を微妙・柔軟に行える設備に取り換えたら、原発1~2基分の電力を浮かせられる

 化石燃料を使用する発電というものを行っていくのであれば
 褐炭、石炭、ガスがドイツでは化石燃料としては使用されているが
 効率性が高くなければいけません
 私どもは1次エネルギーからの変換効率が60%以上でなければならない
 これはガス発電は可能だが、石炭火力では無理なのです

 また、こうした選択、ガスを利用していくという選択は賢明なのは、例えば褐炭による発電は
 CO2の排出は900g、石炭は600gに対して、ガスは300gという差が見られる、ということもある

 さらなるメリットが、ガスにはあります
 ガスの利用を進めることによって私ども、24時間365日電力のベースロードを確保しないといけない
 こうしたプレッシャーにさいなまれているが、これから逃れられる
 ベースロードは、夜間電力需要がない時は無駄になってしまう
 ベルギーでも夜間に煌々と高速道路が照らされているようなことになる

 再生可能エネルギーの利用を進めると、振幅の問題がでてきます
 すなわち調整していかないという課題があるのです
 電力の供給のピークとベース、それから需要のピーク、ベースは必ずしも同時に現れるわけではない
 クリスマスにはみな静かに過ごして電力消費は減る
 しかし風が吹くと風力の供給は多くなる

 このようにしてGAPを調整しないといけないことが出てくる
 調整電源としての利用可能性は、石炭火力じゃダメです
 柔軟に出したり減らしたりは原子力発電でも不可能
 こうした再生可能エネルギーは出力にどうしても変動があるので
 調整電源として優れているのがガス発電

 また、再生可能エネルギーは、分散型であります
 これは非常に混乱のもとになります
 
 非常に分散型であり、その間に供給と需要の間のバランスの調整をきちんとしていかないといけない
 大変困難なもんであることから
 人々は混乱してします、不安を持つところがあるが
 できるだけ送配電インフラがつながっておたがって融通しあえないといけない
 ヨーロッパではつながっているが、日本では2つのインフラが分離していると聞いています

 このさらなるインフラの拡充を図るために配電網のインフラを拡大しないといけないし
 送電網へも投資を拡大させていかないといけない

 これをうまく進めていくためには、発電する事業者と、送配電系統を運営する事業者が同一ではいけない
 分離を図らないとなかなかうまくいきません

 風力発電設備の大規模な設備は、大量な発電が可能である
 それを需給をバランスよく使っていくためには貯蔵する機能が必要になる
 揚水発電というものがその機能があるものとして一つある。スカンジナビアやアルプスであったりする

 揚水発電は需要が少ない時は水を上に上げる
 発電余力を蓄えておいて、需要が高まったら下におろす
 それにより電力がの貯蔵が可能な設備

 しかしエネルギーの貯蔵はまだまだ研究を進めていかないといけない

 バッテリー技術もその一つ

 モビリティを確保するためには、非常に決定的な重要性を持つのがバッテリー・ストレージ
 電気自動車には欠かすことができません

 もう一つ私たちが産業側と話している貯蔵・調整と言ってもいいが
 調整の将来可能な方法として、アルミニウム精製工場を使う
 非常に電力を使うが、需要の少ない時に稼働をしてもらって
 それに対して調整が可能になるので対価を支払ってはどうかと
 アルミニウム分野の企業と話している

 調整電源として有望なのがガスであると意識して使ったが
 今後バイオガスの利用も同様に有望に広がっていくことが考えられる
 しかし今は天然ガスを使うしかない
 どこからくるのか
 ロシアからのエネルギー依存度を高めたいのか、という批判が来るかもしれない

 いや、私の答えはNOです
 すなわち依存度を高めたくない
 どこからそのガスをもってくるのか
 市民から持ってくるのです

 ガス、ですね
 こちらドイツでは屋内の、建物の熱供給として使われている
 工場の熱供給もある
 建物の気密性を高めれば暖房の利用が少なくなるので、その分ガスが減るのです

 さらにはこうした建物の気密性向上と並んで
 温水のために地熱を使ったり
 太陽熱をつかったりすることでさらにガスを浮かせることができる
 こうした施策をすすめるためにプログラムに資金を振り分けることが必要ですし
 太陽光利用へのインセンティブも必要になってきます

 この熱供給や気密性というテーマが一方にあり、もう一方に電力というテーマがある
 これがいかにつながっているかは、日本でも見られるのではないでしょうか

 すなわちドイツと日本は生活形態や水準が似通っているのではないかと思うが
 家計あたりの電力使用というのが、ドイツに比べ日本はかなり大きい

 例えば、温水機というのは、電力によって水を温めている
 その電力はどこから来るかというと、変換効率はなんと30%にしかならない原発で生産された電力だったりする
 原発からは排熱がどんどん出ている
 さらに日本は空調、クーラー等の利用が多いので、非常に電力を消費する率が高い

 この準備の中で発見したことですが
 日本の電力消費はドイツの一家計あたりの消費まで下げられれば
 27%の原発利用は完全に不要であることが統計上分かりました

 今の政権を構成している政権は、再生可能エネルギー法制に対して反対を唱えていた
 紹介したような建物回収プログラムに対しても4,5年前までは反対の立場だった
 それを変えてきたが、昨年秋まで脱原発の基本構成にむしろ反対していた

 しかし今回の福島の事故を受けて
 脱原発についても大きな方針転換をした

 個人レベルに話を引き下げて
 簡単に比喩てきにもうせば
 メルケルさんは10年前のトリティーンさんの主張を、10年遅れで取り入れたと

 今回6月の初めに政府により提出された要綱、並びに6月末に連邦議会で採択されるであろう関連法案
 これを見ると脱原発については私どもの主張に沿ったものになってきている

 全体の17基のうち、老朽化している8基を即時閉鎖する

 昨年政権が稼働期間延長の決定を行いましたが
 この決定は撤回されます

 また、運転期間の短いほう、新しいほうの原発も、2022年までに段階的に閉鎖していきます

 脱原発の分野では以上の分野のような方針を政府は取るようになってきたが
 他方で再生可能エネルギーのほうは、原発の稼働期間を長くといっていた昨年に行っていた35%と
 さらに稼働期間を短くする今年は目標が変わっていない

 また、まったくエネルギー変換効率の高い基準を設けることなしに、化石燃料の発電を進めようとしている
 それによりガスでなく石炭火力のほうをすすめていく可能性が高いです

 ドイツは2020年までに、温室効果ガス削減を、1990年比で40%まで下げようという目標を掲げたが
 EUの2020年までの削減目標は20%のままです

 さていま紹介したのは政府の方だが、緑の党がどういう要求を掲げているかです
 政府と同じだが、8基の原発即時閉鎖

 これまでわれわれは稼働延長の撤回を要求してきました

 2020年よりもっと早い時期に脱原発を実現できると考えている
 政府が当初言っていた2040年と2020年とどちらがいいかと言われると当然2020年

 再生可能エネルギーの2020年の割合目標を35%ではなく40%以上と掲げるよう要求しています

 また、効率というものを高さを条件に加えることにより、火力発電所、石炭火力ではなくガス発電所の普及を要求していく

 また、温暖化防止プロセスを国際的に推し進める一助とするために、EUの共通削減目標として、20%ではなく
 日本は25%だったと思いますが
 30%にすべきと要求しています

 また、私たちはエネルギー効率、省エネの目標を拘束力を持つ形で欧州全体で掲げていかなければならないと
 2020年までに20%を、EUで拘束力を持つ目標として掲げることを要求しています

 ドイツの議論はどういうものなのか
 政府と私どもの立場の違いを紹介できたと思う
 
 何十年も原発の問題は私たちの国では意見の対立を進めてきたが
 福島の事故を受けて全政党が賛成された形で脱原発が成立します

 しかし、そこに至るまでの、道のり、これからの道のりに関しては
 高層として政府の持つ方針と、緑の党の方針はかなり違うことがお分かりいただけたと思う
 10年間大変な変化があった。今後10年も大きな変化がある
 10年後講演会が開けるなら、相手側が与党となっており、その考え方の変化が説明できることを祈っています(会場笑)


 その2に続きます。