2011-04-25

ピジョン・マーケティング

 先日独立系生保・ライフネット生命保険の岩瀬副社長の講演を聴いてきた(詳細は
前回エントリに)。同社は販売チャネルをおばちゃんからネットに変えることにより
低料金の保険を販売している会社なのだが、最初はやはりなかなか知名度が高くな
く、集客に苦労していたとのこと。

 その知名度を上げるきっかけとなったのが、一つのプレスリリースである。

 ■徹底した情報公開を目指すライフネット生命保険、付加保険料率の全面開示へ
(2008/11/21)
  http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2008/1304.html

 これまでどの保険会社も公表してこなかった、純保険料と付加保険料、つまり保険
料のうちいくらが加入者に支払われる金額になるのか(残りがコストと利益)を公表
したことにより、業界は蜂の巣をつついたような騒ぎになり、同社の知名度は一気に
あがったとのこと。


 そして、もう一つ知名度を上げるきっかけになった記事がある。
 
 ■ハトが選んだ生命保険に入る/@Nifty デイリーポータルZ(2009/7/24)
  http://portal.nifty.com/2009/07/24/a/

 デイリーポータルZとは、アルファブロガーアワード(*)も受賞した、愉快な記
事を載せているサイト。これはその記事の一つで、ハトがどのマメを食べるかで保険
金額を決めよう、というもの。そこへライフネット生命保険の出口社長自らお茶目な
テイストで出演したところ、問い合わせが急拡大した、ということらしい。


 これだけ見るとデイリーポータルは高い効果が得られるパブリシティサイト、とい
う風にも取れるのだが、基本このサイトの記事で何かを宣伝しようとしている気配は
見られない。最新記事のタイトルを見ても、

 「エレベータの開閉は同時押しで開くのでは」
 「意外材料食品を探る」
 「親の奇行」
 「埼玉の県鳥、シラコバトを見てみたい」
 「ジャンプの感想をWEBで無料公開!」
 「店内に県境がある店めぐり」
 「ラジオ体操で万歳シーンは何度取れるか」
 「玄関開けたら5分で古墳」
  http://portal.nifty.com/

 などと、とてもパブリシティを狙っているとは見られない様子である(ハトが好き
な様子はある)。


 例えば雑誌の内容でいうと、記事と広告では読者の信頼度・注目度が違うので(広
告ってちゃんと見ないですよね)、記事の体裁を装った「記事広告」というものが
あったりする。有名人のインタビューといった体裁をとりつつ、内容は特定の製品や
サービスを褒め、ページの隅に広告マークが入っていたりするようなものであるが、
これもやはり記事よりは読み飛ばされる可能性が高い(震災直前の「日経ビジネス」
に、福島第一原発についての記事広告が載っていたのを見つけたときには注意深く呼
んでしまいましたが)。

 であるので、やはり一番信頼度・注目度が高いのは記事で、そのため例えば広告と
悟られないような記事を作る「ステルス・マーケティング」という手法も存在する。
しかし、このデイリーポータルの保険の記事は、明らかに広告を狙っている雰囲気を
出しつつも(だって、社長が大きな社名のパネルを掲げているんですよ)、「笑い」
の構造に上手くはめ込むことにより読者側にはまったく広告を読んでいるカンジを与
えないという、新しい手法なのではないだろうか(新しいといいつつ、記事は2009年
のものですが)。

 これを、平和裏に広告行為をすすめることと、この記事に敬意を表して「ピジョ
ン・マーケティング」と名づけたいがどうだろう(そんなの新しくもなんともなく
て、先行研究が山ほどありますよ、みたいなときは教えてくだされ)。

*アルファブロガーアワード2010
http://alphabloggers.com/2010/#top2010media

MBA-C 岩瀬大輔さん講演会

 本日は、国内ビジネススクールの横断的な集まり、MBA-C のイベント、岩瀬大輔さん講演会・交流会に行ってきました。
 岩瀬さんはライフネット生命の副社長の方ですが、ハーバードビジネススクールを卒業されたのちに立ち上げられたということで、現在スクールで学ぶ我々に、非常に刺激的なお話をいただきました。以下エッセンスを。

…………

・みなさんにはリスクを取って日本を変えていってほしい
・ビジネスは、教室で学べることは限られている

・Blogを書いていたが、もともと文章はほとんど書いたことがなかった
 アセットにするために書き続けた
 よく時間があるな、といわれたが、予習の時間を削っても復習のためとして書いた
 1日1個でいいから気づいたことを書きとめておかないと(スクールの)お金も無駄になる
 (このくだりでよしBlog書くか、と思った方も多いのではないでしょうか?)

・(ベンチャーの成功に)ビジネスプランは関係ない。誰がやるか、につきる
 人がいい場合はプランがダメでも修正しながらなんとか成功することが多い

・大きな市場に、大きな非効率があり、大きな変化が起こる時にビジネスチャンスがある
 (それで保険会社が成功すると考えた)
・現在コントロールできるリソースにとらわれてはいけない。事業機会を執拗に追い求めるべき

・立ち上げ当初は顧客よりも仲間を集めるのが大事
・ビジネスプランは一言で言えるのが大事
 (ライフネット生命なら)「生保のおばちゃんをなくし、保険料を半分にしました」
・(ビジネスパートナーが)一緒にやって楽しい、というのが大事
 楽しそうに説明すれば稟議もとおりやすい
 ロジック:エモーション、昔は9:1だと思っていたが、今は5:5や4:6かと

・若者だけでベンチャーを作らないようにした
 米はベンチャーに「オトナ」が入っている
 大手生保出身でたまにふんぞりがえる人がいるが、そういう人はみなで諭す
・多国籍軍で戦うのが大事で、保険会社以外の人も入れた

・デイリーポータルの、ハトにからめた記事で反響が大きかった
 現在のコンシューマ・マーケティング:安い・高性能だけではなく、+αがないといけない
 「応援消費」というのがある
 安いことより、会社の経緯を行った方がよいのでは、と思った

…………

 岩瀬さんは同い年なのだが、東大在学中司法試験合格、ハーバード成績優秀者で現在生命保険会社副社長と、なんだかこちらは何周周回遅れなんだ、というカンジの方なのだが、参加者全員と交流の時間を作ってくださったりと、非常に気さくで近寄りにくさを感じさせない方。こういう「人間力」が、お話の中にもあったけれどもビジネス成功のポイントなのかな、と感じました。
 


※MBA-C
http://www.mba-c.net/
※ライフネット生命
http://www.lifenet-seimei.co.jp/
※Blog「ハーバード留学記」
http://hbslife.exblog.jp/
※Daily Portal Z「ハトが選んだ生命保険に入る」
http://portal.nifty.com/2009/07/24/a/

2011-04-24

110422 イノベーション・マネジメントモジュール ゼミガイダンス

 先生の入れ替わり等があることもあって、わがモジュール(専攻、みたいなものかな)はゼミのガイダンスがありました。
 来れなかった人のためというか、自分のための備忘録として内容を書いておきます。


■共通
・モジュールの想定は14~5人だったが、今年は21人と多い
 どーーーーうしても、というならM2から吉川先生に指導いただくことも可能
・MOTは「経営と技術」が必修であるが、2つあるうちよりMOTの核心に近い長内先生の方の講義を勧める
・ゼミは10人+11人と別れることを想定はしている。そうしたいとはいわないが


■デザイン&ブランドイノベーションマネジメント/長沢先生
http://www.waseda.jp/wbs/about/faculty_profile/nagasawa_jp.pdf
・特徴:-国際的教授
    -タイムリーで魅力的なテーマ
    -修了生の活躍
・テーマ:どちらかというとローテク側。高くても売れる製品。環境関係も


■イノベーションと価値創造/長内先生
・どちらかというとマスプロ製品
・文系-理系という壁があるが、WBSのMOTコースは下げている
・比較的若い先生に習うメリットは、修論を書く学生の気持ちに近いこと


■長内ゼミ次回(次々週)課題
・やりたいテーマをA4 1枚にまとめる
・話がシンプルなのが良い研究
・どういう研究で、どういう手法で、どんないいことがあるのか
・いいこと:実務的メリット or アカデミックなインプリケーション(新規性、有用性)
・「面白いね」と言われるのが目標
・10人くらい来ると思うので、10枚コピーして持ってくる

2011-04-22

WBS新入生オリエンテーション(手続き編)

 引き続き、ビジネススクールのオリエンテーションであった手続きについての話
を、念のため記しておきます。
 スクール外の人にとってはアレですが。


■杉浦教務副主任
・科目登録は3つ余分にできる。後で(期間内に)削除できるが、追加はできない
・手続きは何があるか分からないので早めに。遅れて履修登録ができなかった例もあ

・4月下旬にある「マネジメントゲーム」は仲間作りのきっかけになる
・8月の春集中講義の登録は7月に。これは今年度からの改善点
・コア科目は相対評価。A+とAで全体の4割。つまり真ん中の人はBになる
 一方専門科目は絶対評価。コレが(たぶん)救い
・モジュール専門科目は入学後2年以降に取得のこと
・夜間でも上手く会社と話をつけて、まれに海外留学に行く人がいる
・カンニング、剽窃はその学期全科目がF(グレポン△1点)になる
・ケースは14号館MDコーナで。平日夜は閉店。コンプライアンス上コピーをとらない
よう
・レポートも、締め切りを必ず守ること
・シンガポールのナンヤン工科大で夏の集中講義がある。1泊4000円+飛行機代。定
員あり
 「アジアにおける日系企業の組織戦略/大滝令嗣先生」

■根来教務主任
・ゼミだけで16単位(演習8、プロジェクト研究4、論文4)。つまり必要なのはあと
32単位(16科目)
 M1春・秋・M2春で、7・7・4(この場合18科目)などが多い。お勧めは7・6・4くら

 学期内に8科目は(負担が重く)無理。負担の軽い科目なら可能だが、そのような
科目をとってもムダ
 (※筆者注:ここでの科目数は、話の流れ上ゼミを除いた数だと推察します)

■モリモトさん(研究科事務所)
・MOTの人のMBA夜間専門講義取得もしくはその逆の場合の履修は書式が別。Webか事
務所に。コア科目は通常通り
 この場合、専門は5科目しか終了要件に入れられない
・演習の変更はできないので慎重に
・イノベーションMとオペレーションMはゼミが定員を超える可能性がある。事前に感
触を聞くべき
・イノベーションMは来年吉川先生が戻られる。上手く話がつけば、M2から吉川ゼミ
ということができる可能性も
・MOTの事前面談は、自力でアポを取るなりゼミを訪問するなりして行うこと
・成績発表は9月中旬、3月中旬に、事務所で

■サイトウさん(研究科事務所)
・合宿の費用は、4/25時点で登録されている講座に5/13に返金。未登録の場合その後
順次返金
・休学の場合、登録料は5万円/半期

WBS新入生オリエンテーション(挨拶編)

 震災のため合宿が中止となり、ビジネススクールの最初の公式行事となった、昼夜
に分かれたオリエンテーションがありました。
 夜(MBA夜間+MOT)は仕事帰りに駆けつけた様々な業界の人が100人。これらの人
たちの化学反応から何が生まれるのか、今から楽しみです。
 先生方のご挨拶の要旨は、以下のようなカンジでした(一言で言うと、「そういえ
ば入学おめでとう。がんばれ」というところでしょうか)。


■辻山商学研究科長
▽ポイントは二つです。一つは専門性を高めるということ。プロフェッショナリズム
 自分の専門のアングルから物事を見られるようになるということ
 小さい窓から見ることにより、物事を深く見ることができる
▽もう一つは、早稲田建学三精神の追求。早稲田魂
  1.学問の独立。在野精神
  2.学問の活用。普遍性を持った実用。CSR
  3.模範国民の造就。グローバリゼーション
▽教育の真髄は、役に立たないことを教えること。
 (すぐ)役に立たないことは、将来必ず役に立つようになる

※研究科長メッセージ
http://www.waseda.jp/gradcom/about/dean.html
※早稲田大学教旨
http://www.waseda.jp/jp/global/guide/mission.html


■根来教務主任
▽夜間プログラムでは、何かを犠牲にしないといけない
 まずアフター5(呑んだり)や、遊び(ゴルフ行ったり)
 家族(グチ聞いたり)や健康(睡眠時間)も多少は犠牲にしなければならない
 但しビジネススクールである以上、仕事を犠牲にしないこと
▽モジュール制はメリットも多いが、デメリットとしてはタコツボ的になりやすいこ
とがある
 コア(基礎)科目で、モジュール外のネットワークの構築を

※ディレクターメッセージ
http://www.waseda.jp/wbs/about/message.html


■杉浦教務副主任
▽モノはそれをとることによりサクリファイスしたものの総和以上の価値がある
 (根来先生の例だと、ビジネススクールの価値>アフター5+遊び+家族(の一
部)+健康(の一部)の価値)
▽business の 語源は busy、一方 school は scola で、ヒマということ
 ビジネススクールという言葉は、それ自体に矛盾をはらんでいる
▽2011年、というのは特別な年
 2011は305番目の素数
 2011=661+673+677 (3つの並ぶ素数)
 2011=157+163+167+173+179+181+191+193+197+199+211 (11の並ぶ素数)
 次の素数、2017との差が6 → sexy prime (セクシー素数)

※素数 @wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E6%95%B0
(平たく言うと、1とその数でしか割り切れない数。4は1と2と4で割り切れるので素
数じゃない。5は1と5でしか割り切れないので素数)
※セクシー素数 @wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E7%B4%A0%E
6%95%B0

2011-04-20

浜岡原発PR館、行ってきました


 週刊誌などを中心に、活断層の上にあり日本で一番危ない原発なのではないか、とささやかれている静岡県は中部電力浜岡原発ですが、先日ビジネススクールの仲間と、現場を見て学ぶことは大事であろう、ということで見学に行ってきました(厳密には行ったのは原発じゃなくて原発PR館ですが)。

 浜岡原発が存在するのは静岡県御前崎市、静岡のまん中あたりにとんがっている部分、御前崎を擁する人口34,000人強の都市です。市の南側は遠州灘に面しており、その風の強さを利用した風力発電機が海辺に並んでおりました。風力発電というと、その問題点として低周波音による近隣住民の健康被害や、バードストライク(鳥が巻き込まれる)などが言われていますが、残念ながらそれが確認できる距離までは近づけませんでした。


 御前崎市の中心部で最も人が集まっているのがイオンのショッピングセンター、そして、その次くらいの勢いで、原発PR館にも人が来ていました。

 そう、結構混んでいたのです。

 今の時期のPR館って、かなりガラガラなんじゃなかろうか、と予想していたわけです。だって、原発ってクリーンで安全ですよ、と吹聴する施設に今あえて行こうとは思わなさそうじゃないですか。が、施設はカップルや家族連れなどが結構たくさん。施設には豪華アイマックスシアター(当然全部無料)などもあり、格好の娯楽スポットとなっていたのでした。原発は地域に助成金や雇用をもたらすとは聞いていたけれど、娯楽までもたらしていたとは。

 雇用といえば、原発関連で約3,400人の人が働いているとか。ということは、人口の1/10という規模。まさに、石を投げれば原発作業員に当たる状況ですね。週刊誌がいくら言おうとおいそれと原発をなくせない構造の一つがここにあるのではないでしょうか。

 展示の中心は実物大原子炉。その恐怖すら抱かせる外見は、マンガ『ブラックジャック』に出てきた人間に歯向かう巨大コンピュータを想起させ、いずれ人間の手に負えなくなるもの、という連想をしてしまいます(ブラックジャックが治してくれればいいのですが……)。



 肝心の地震というか津波については、考えられる最も高い津波が来ても大丈夫ですと。でも念のため、更に防波壁をいま作っていますと。え、いや、もっとも高くても大丈夫なんじゃなかったの? その、福島を見てあわてて作り出したところが、全体的に安全基準がユルいんじゃないか、という思いを抱かせてしまいます。

 更に、オトナ向けの原発の技術的な説明のほかに、子供向けの展示がありました。子供向けのものは、原発作業員の体験をしてみるものや、放射線がいかに日常にあふれていて怖いものじゃないと感じさせるものなど、うがった見方をすると将来の原発作業員をいまから教育し、原発をやめられない構造を長期的に維持する仕組み、という風にも見えなくもありません。



 福島第一原発から漏れ出したことで話題になっているプルトニウムを用いるプルサーマルについても、いかに素晴らしいシステムなのか、という説明のみで、そもそもプルトニウムはどういう物質なのか、ということについての説明すらありません。パンフレットのキャッチコピーには、「見てふれて科学するこころ」とありますが、都合のいい一面のみを押し付けるのは科学的というよりは政治的であるのでは、と言わざるをえません。

 個人的には原発を今すぐすべて止めるべき、とは思っていません。しかし、このように政治と金が科学より前へ出てくるような状況は改めるべきだと感じました。そしてまた今回訪問して、実際現場に行ってみて考えることの重要性のようなものを感じました。ネットを捨てよ、町へ出よう、ですかね。



※参考:「原発PR館へ行こう!」
http://wbsmot.blogspot.com/2011/03/pr.html

2011-04-14

矢沢潔『原子力ルネサンス』技術評論社

 事故後のスリーマイル島に日本人2人目の記者として取材をしている科学ジャーナリストの筆者が、国ごとの原子力の動向を報告する本書、タイトルどおり原子力は世界の国で徐々にその存在感を増して来ているようで、そのような状況下での今回の福島原発事故だったということが理解できました。

 以下本文で気になった部分をば。並べてみると、原子力以外の話題も多いですね。


――アメリカの電力の主力は当分石炭であり続ける可能性が高い。一見してもっともダーティーな過去のエネルギー源と思われている石炭だが、“クリーンコール・テクノロジー”と呼ばれる新技術によってきれいなエネルギー源へと姿を変え原発と並んで復権しないとも限らない。(pp.82-83)

――(引用者注:ロシアで)“海に浮かぶ原発”はまもなく姿を現そうとしている(p.101)

――どの国を見ても、地球温暖化の解決を目指して原発の出力増強や新設を推し進めているという事例はただの一つも見当たらない。(引用者注:温暖化対策は後付けの理由にすぎないということ)(p.151)

――近年の急激な原油高騰に押されて“その日”はただちにやってきた。カナダやアメリカでタールサンド(引用者注:北米に多く存在する粘土の高いタール状の原油を含んだ砂岩・頁岩。ガソリンや灯油にする過程で大きな手間とコストと環境負荷がかかる)の採掘が本格化しただけではない。この資源が大規模に集中するカナダのアルバータ州では途方もないスケールの採掘が既に日常的光景となっているのだ。(pp.156.158)

――こうした(引用者注:エネルギー供給が経済成長に追い付かない危険性がある)危うい状況で中国は世界中から必死にエネルギーをかき集めようとしており、カザフスタン、ロシア、スーダン、ベネズエラ、西アフリカ、イラン、サウジアラビア、カナダなどで独自の油田開発も行っている。すでにアフリカ西海岸の沖合の海底油田から汲み出した原油はほとんどが中国へと直行している。(p.160)

――ウランは海水にも含まれている。濃度は10億分の3.3と非常に希薄だが、放射線障害についての厳密な議論で有名なピッツバーグ大学の物理学者バーナード・コーエン教授は、ウランの価格がポンドあたり200~400ドルなら海水からウランを抽出できるようになると述べている。(中略)これは日本のようなウラン無資源国がたちまちウラン資源大国に代わりうるということをも示唆する(後略)(p.212)



※ちなみにこの本、現在アマゾンじゃ新品が売り切れていますが、ちょっと前に三省堂神田本店にいっぱい積んでありましたよ。

2011-04-13

春学期履修計画(仮)

 ようやく時間割も発表になり、登録前のお試し期間に聞きにいく授業を決めてみま
した。
 さすがにコレ全部取ると課題で破綻することは目に見えているので、この中からい
くつかチョイスする、ということになりそうです。
 履修単位数に上限がないので、取って後で切る、という手もあるんですが、そうな
ると商学部名物"グレポン"(事業の成績を数値化したもの)が下がって卒業にかか
わる、ということみたいですので(違います?)、なかなかそうもいかず。

 授業のラインナップを見ると、なんだか戦略系に妙に寄っていますね。もうちょっ
とバラエティに富んだカンジにもしたかったのですが、選択肢も限られているのでひ
とまずこうしました(戦略に興味がある、というのは確かです)。
 ということで、一緒の授業になった人はよろしくおねがいいたします!


【 2011年度春学期 履修計画(仮) 】
■月曜日(4/25)
○7限:デザイン&ブランドマネジメント(長沢 伸也)[イノベーションM系]
○8限:製品アーキテクチャー論(朴 英元)[共通専門科目]

■火曜日(4/26)
○7・8限(前半):実践競争戦略(菅野 寛)[競争戦略系/経営戦略系]
○7・8限(後半):戦略の立案と実行(内田 和成)[競争戦略系]

■水曜日(4/27)
○7・8限(前半):マーケティング(守口 剛、木村 達也)[MBAコア科目]
○7・8限(後半):消費者行動論(阿部 周造)[共通科目]

■木曜日(4/28)
○7限:新製品開発マネジメント(長内 厚)[イノベーションM系]
○8限:技術標準戦略(江藤 学)[共通専門科目]

■金曜日(4/22)
○7・8限:演習/プロジェクト研究

■土曜日(4/23)
○1限:企業の経済学(岩村 充)[コア科目]
○2限:経営戦略(遠藤 功)[コア科目]
○3限:人材・組織(杉浦 正和)[コア科目]
○4限:財務会計(松田 修一)[コア科目]
○5限:経営と技術(田村 泰一)[共通専門科目]
○6限:ビジネスモデル研究(根来 龍之)[経営戦略系]


※早稲田大学シラバス検索システム
 https://www.wnz.waseda.jp/syllabus/epj3011.htm

2011-04-08

学割いろいろ

 本来4月1日が入学式だったのですが、震災の影響で中止に、また授業開始も4月22
日まで延びてしまい、なんだか学生なんだか学生じゃないんだかよくわからないよう
な日々を暮らしております。

 で、学生といえば学割じゃないか、ということで、世の中にはどんな学割がある
の、というのを調べてみました。


…………………………

■交通
○通学定期乗車券
 学生向けの定期券です。路線によっては結構な額が割り引かれた気がしますが、家
の最寄り駅から学校の最寄り駅までしか買えなかったはずです。どうせなら早稲田ま
でじゃなくて馬場まで買いたい、と思ってもダメだと。そこは歩けと。

○学生割引乗車券
 JR・東武・名鉄・近鉄で片道100km以上の営業キロの場合、乗車券が2割引になる、
というものです。JRではあらかじめ学校で学割証を受け取る必要があるということ
で、ちょっと面倒ですね。学割で出張に行ったら清算はどうなるんだろう。
http://www.jreast.co.jp/kippu/0701.html

○格安航空券
 たまに、学生限定価格というのを見かけます。卒業旅行向けかもしれません。


■通信・コンピュータ
○携帯電話料金
 今だと DoCoMo の「応援学割」や、ソフトバンクの「ホワイト学割」でしょうか。
 無料通話分がないプランが数百円安くなる、というプランだった気がします。まっ
たく通話しない人は多少安くなるのかもしれません。パケット定額料金が半額、とか
ならよかったのに……。
http://www.nttdocomo.co.jp/charge/discount/ouen_gakuwari/
http://mb.softbank.jp/mb/special/students/index.html

○ソフトウェア
 マイクロソフト社の製品のアカデミックパックなどが有名でしょうか。PCに入って
いないパワーポイントを仕方なく買うときなどに使ったり。
http://www.microsoft.com/japan/education/license/ap/default.mspx


■書籍
○ビジネスレビュー誌
 「ハーバードビジネスレビュー」、「一橋ビジネスレビュー」の定期購読が、学割
だと半額(一橋は違ったかな)になるみたいです。
 「早稲田ビジネススクールレビュー」は割引どころかいつの間にか無料のWebマガ
ジンになっていました。この形式は続くのかな……?
http://drc.diamond.co.jp/gakuwari/
http://www.toyokeizai.net/shop/magazine/hitotsubashi/
http://www.waseda.jp/wbs/wbsrc/03publication/wbsreview/overview_review.html

○ビジネス雑誌
 「日経ビジネス」「週刊ダイヤモンド」「TIME」「The Economist」などが、定期
購読だと半額以下になるみたいです。かなり安くなりますが、週刊だと読み続けるの
も大変だったりしますよね(今、追われるように毎週日経ビジネス読んでいます)。
http://bpgakuwari.jp/
http://dw.diamond.ne.jp/about_teiki/gakusei.html
http://www.fujisan.co.jp/Category/3029/


■文化・スポーツ
○大学スポーツ
 東京六大学野球だと、内野席1,100円が800円に、あとラグビーも大学で買うと安く
なる、みたいなのがあった気がします(あやふや)。
http://www.big6.gr.jp/jingu/jingu.html

○映画・観劇
 映画は一般1,800円のときは学生1,500円というのが一般的でしょうか。演劇で、た
とえば劇団四季は演目によって学生料金の設定があるものもあるようです。
http://www.shiki.gr.jp/applause/schedule/venice.html

○ミュージアム
 例えば東京国立博物館は、一般600円に対して大学生400円。大学院生というのは、
大学生なのかな……?
http://www.tnm.go.jp/jp/guide/general/index.html


■飲食
○ご飯屋さん
 会社の近くのラーメン屋は、学生証の提示で100円引き、というのをやっていたと
思います。スーツ姿で社員証首からさげていて引いてくれるかは分かりませんが。


…………………………

 ということで、探せば色々ある学割、上手く活用して、貧乏社会人学生生活を乗り
切っていきたいと思います。他にも学割情報あったら教えてくださいませ。