書かれたのは結構前の記事なのですが、最近ネットに掲載されたもので、以下のような記事がありました。
|「東大院卒」の肩書を手に入れる禁断の学歴ロンダリング
|「人生大逆転」の裏ワザ【5】
|プレジデント 2009年10.19号
| http://president.jp.reuters.com/article/2011/01/14/0AF89B60-1974-11E0-BC39-83F03E99CD51.php
気になるところがイロイロありまして。
・「禁断の学歴ロンダリング」にどんな「裏ワザ」があるのかと思いきや、単に東大(他有名大)大学院を受けましょう、というハナシ
・理由は「倍率・難易度ともに極めて低い」からで、例として東大公共政策大学院の入試倍率が2.1倍であることと、受験が願書、TOEFL、専門科目、口述のみであり、「膨大な学習量を要する大学受験とはまったく内容が異なる」とのこと。
しかし、東大の学部(2010年度、前期)の入試倍率(*1)は理科一類で2.5倍、文理あわせた全体でも2.9倍であり、これにくらべて2.1倍が「きわめて低い」とはいえないし、また学習量が少ないことと、受験の難易度が低いことは基本的には関係ないはずです(そもそも専門科目やTOEFLをきちんと勉強すると、学部の入試より学習量が極めて低いとはいえない気がしますが)。
また、細かいところでは、
・東大院のはなしかと思いきや、記事のほとんどを占めるエピソードは "都の西北" にある一流大学の院に入ったAくんのはなし
・"都の西北" にある院という中途半端なボカしかた
・「一流大学の友人・知人」「周囲の二流大学生」「三流のブラック企業」など、「○流」の安易な使い方
・一流大学大学院を卒業したため有名企業に入れました、という進研ゼミの漫画みたいなストーリー
などなど気になるところはありますが、とにかく、どうやら簡単に入って出られてお徳だね、と思われているらしい社会人大学院生としては、しっかり精進して、こういう記事が書かれないようにしたい所存であります。
しかしこの筆者、東大の公共政策大学院の人(もしくは落ちた人)に刺されたりしないのか、不安だなぁ……。
■出所:
*1:東大入試データ/代々木ゼミナール
http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/joho/todai/todai_data_1.html
興味深いですね。主にマスコミの方々が使う主観的表現「極めて」「~せざるを得ないでしょう」「〇○内閣は窮地に追い込まれました」には私も違和感を感じていました。
返信削除医療業界では主観的表現をほとんど用いません。誰が見ても同一尺度の評価法を用いることが常識です。主観的評価ではその評価自体の信頼性が揺らぐからです。
最近は医療業界に限らず、信頼性があり根拠のある発言が求められている印象があります。マスコミはその流れに逆行しているのでしょうか…。統計をとったわけではありませんが(笑)
客観も主観の集合であり、完全な客観というものはない……、というようなことを言うとまたややこしくなるけれど。
返信削除マスコミはむしろもっと各社ごとの主観というか主張を強めてもいいのかも、という気もします。「主観的表現」といいつつ、各社同じようなことを言っているのが昨今のマスコミ減退の要因の一つであるのかもしれません。
ところでなぜかこのコメントがスパムに振り分けられていました(苦笑)。