2011-03-24

金井壽宏『リーダーシップ入門』日経文庫

 本来今週末の、ビジネススクールの合宿における講義(の一つ)の課題図書だったというので読みだしました。が、読んでいる途中になんと合宿が中止になってしまったのですが、読み終えたので以下印象に残った所などをいくつか。

 中でもヤマト運輸・小倉元社長のリーダーの条件には興味を覚えました(今度読んでみよう)。また、経験だけではなく理論も大事、というところは、今後胸に留めておかねばなるまいな、と感じました。



――「リーダーシップのコツはなにか」と聞かれたら(中略)答えようとすることが大切だ。言語化が、行為の内省における鍵を握る。(p.49)

――最近、新たに注目されているリーダーシップ論は、一見すると間接的で遠回りのようだが、ビジョンの実現に立ち向かうフォロワーのパワーの持続性やコミットメントの深さという点で、モード(A)(=Active 引用者注)が注目されつつある。(p.79)

――マイケル・ポーターは(中略)「ハーバード・ビジネス・スクールでは、学生に質問を出すだけですが、今日は特別で、質問を受けます」と言ってのけたが、絶えず質問をするというのは、聞く側の注意を引く最良の方法のようにも思える。(p.121)

――一見相互に矛盾する原則に出会ったときに、より考えが深まる。選択を迫られることにもなる。(p.126)

――小倉氏(ヤマト運輸元社長 引用者注)は(中略)けっして政治家の力を借りなかった。政治家に口利きをお願いしたら最後、反対派も政治家を通して運輸省に圧力をかけるように陳情するだろうから、中途半端な妥協案になってしまって、長期的には悔いを残しかねない。(p.162)

――部下と飲むときにはポケットマネーで支払うようにすべきだというのが、この(小倉氏の 引用者注)行動規範だ。そのために、経営者は、(中略)十分な額の報酬をもらっている必要がある。(p.164)

――第三に注目しておきたいのが、リーダーシップの持論を語ることがもたらすコミットメント効果であるここでコミットメントとは、本気でやるぞという言質にほかならず、公言することで生まれる真剣な関わりあいのことを言う。(p.169)

――ケリー(Robert Kelley、米カーネギーメロン大 引用者注)は、逆転の発想で、うまくフォロワーシップがとれること自体が、将来リーダーシップをうまくとる条件にもなることに気づき、その点を強調するようになった。(p.263)

――もしも、理論や持論の大切さに気づかないまま、経験だけを強調するなら、これまで OJT と言いつつ、ほったらかしだった現状を追認するだけに終わる。内省を通じて、あるいは質問と議論を通じて、持論は経験から形成されていく。(pp.307-308)



※ちなみにあとがきで紹介している文献だけ前に載せました。
 http://wbsmot.blogspot.com/2011/03/blog-post_09.html


 

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